「鬼さん、どちら」のネタバレと感想です。
人のことに対して興味を持ちすぎるのも如何なものかと思わされます。
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「鬼さん、どちら」のネタバレ
1話毎に主人公が変わるオムニバス形式を採用した物語です。
この物語の主人公たちは、全員ある先天性の疾患を持っています。
それは、「先天性頭部突起症」という頭に生えた「角」のようなものです。
それ以外は、何一つ普通の人と変わりません。
作中では、先天性頭部突起症を持つ彼らの息苦しさが描かれていきます。
例えば、1話では高校に通う女の子である崎。
彼女は五体満足で、どこにも不憫していません。
しかし、クラスメイトからは体が弱い、というように思われていたりします。
そんな崎のことが気になって気になって仕方ないクラスメイトのゆいこが主人公として描かれます。
その他、レッテルを貼られ音楽を辞めようとした人、角を除去した人、鬼を嫌悪する人。
様々な視点で「差別」に対する考え方が描かれるのが本作の特徴です。
本作の詳細な内容は、実際にあなた自身で目を通して確かめてみてください。
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読んだ感想について
差別と区別の難しさ。
外見以外は全部同じなのに、ちょっとした特徴で周りから違うって言われてしまう。
そんな人々の心の内側を描いていました。
読んで思ったのは、今の世の中の人は他人に興味が無いって言いつつ、人のことを気にし過ぎなんですよね。
芸能人が、スポーツ選手が、評論家が、友達が、と。
ホント、どこでも何でも人のことを気にし過ぎな世の中だと思います。
しかも、自分とは全く接点の無い人を叩いたり、持ち上げたりするし。
当人からしたらいい迷惑でしょう。
そういった気持ちを上手く表現しているなー、と思わされました。
個人的にグッと来たのは2話目の音楽をする鬼の子と、1話で出た2人のラストの話。
レッテルを貼られ、その才能に目を向けられずに嘆いた男の子。
そして、区別され特別視されてしまった女の子の心の内側。
それらがとてもとても共感出来る内容となっていたからです。
まとめ
息苦しいような話もありますが、最後まで読むと読んでよかった。
素直にそのように思えるいい作品です。
心がほっこりと温まりますよ。
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