「薔薇のために」のネタバレです。
主に結末に関係することを書いてありますので、閲覧注意です!
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「薔薇のために」ネタバレ
いわゆるブスで小デブのゆりは祖母と二人暮らしでしたが、祖母が急死し、祖母の残した遺言により実母が生きていると知ります。
何と母親は大女優の花井しょう子。
唯一の身寄りである母しょう子と暮すことに。
ですが、母の元には全員父親の違う3人の兄弟が・・。
3人の兄弟である長女の芙蓉(ふよう)、長男の菫(すみれ)、次男の葵(あおい)は皆美しく、初めは外見の美しくないゆりを邪険に扱っていました。
しかし、ゆりが持つ打たれ強さや、前向きな心に胸を打たれ、次第に心を許し、ゆりを受け入れていきます。
そしてゆりは菫に恋心を抱いていくようになりますが、意外なライバルがいました。
葵は兄である菫に同性愛的な感情を抱いており、ゆりを敵視しますが、次第にゆりに惹かれていきます。
菫も初めは死んでしまった婚約者が忘れられず、アル中になったりと荒れていましたが、ゆりに対して愛情を抱くようになります。
複雑な血縁関係をひも解いていくと、実は菫とゆりは血がつながっていないことが分かります。
そして、ゆりと菫には何の障害もなくなり、2人はお互いの気持ちを確認し結ばれますが、ゆりを愛してしまった葵は受け入れられません。
ですが、ゆりと血がつながっているのは自分だけであり、自分とゆりは結ばれる事はない。という事実を受け入れ菫とゆりの幸福を祈り、身を引きます。
ゆりは血のにじむような努力をして美しい姿になり、ウェディングドレスを身にまとい、菫と結婚します。
ゆりと菫。2人は幸せになりましたが、葵の未来は・・?
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感想などのまとめ
葵のゆりへの想いは遂げられませんでしたが、エンディングでは「葵の天使は20年後・・・高齢化社会を救う奇跡の男」。
「葵の天使はまだ生まれていない」と意味深なメッセージが残されています。
どうやら一部の「薔薇のために」ファンの間では、20年後に葵の子供とゆりと菫の子供が結ばれるのでは?
作者は続編を書くつもりで伏線を張っていたのでは?
そんな風に、いろいろな憶測が飛んでいたようですね!
登場人物全員がハッピーエンドだったので、葵も将来幸せになるんだよ!という作者の優しさだったのかもしれません。
実際、葵の幸せを願っている「薔薇のために」ファンの方も多いのではないでしょうか?
葵の未来は読者の想像に任せますということですね!
ラストではゆりと菫の感動的な結婚式がありましたが、ほかの吉村明美先生の作品でもラストが感動的なものが多いようです。
入り組んだ人間関係でしたが、ひとつひとつ理解しながら読んでいくと、とても読み応えのある作品でした。
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