「曽根富美子傑作選 死母性の庭」のネタバレです。
読んだ感想やラストの結末についても触れてあります。
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「曽根富美子傑作選 死母性の庭」のネタバレ
最初から衝撃的なシーンで始まります。
自分の息子である厚の頭を便器になすりつけて虐待している母親。
汚いと連呼し、お前なんかトイレの水と共に流れてしまえば、と言葉の暴力も続けていました。
それが済むと、今度は優しくこっちへいらっしゃいと声を掛け、おしりをつねる。
厚が漏らしたら、汚いと言って床に放り投げるのです。
厚は、その行為により、自分の頭を床にガンガン打ち付けてしまいます。
母親には1つのトラウマがありました。
自分が厚を生んだ時に出来た太ももの無数のつねり後。
生んだ時に、自分の母乳を与えられなかったこと。
そして、生まれた時の吸引のせいで頭の形が一時的におかしくなっていたこと。
これらの引き金によって、母親は自分の息子である厚を愛せなくなっていたのです。
しかし、最初は厚には虐待をしていなかったのです。
変わりの相手は、主人が溺愛していた犬のジョン。
傘を振り回し、何度も何度も執拗に殴っていました。
ある時にジョンが脱走して以降、息子の厚へ暴力の矛が向いたのです。
またいつものように虐待を行っている母親。
今度は、水の中に入れてることにして・・・。
子育てに失敗している母親の虐待を描いた作品です。
また、もう1作品も収録してあります。
こちらは、家族関係を中心に描いている作品。
本作の衝撃的な始まりのシーンは、実際に本作に目を通して確かめてみてください。
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ラストの結末や感想について
ラストの結末に関しては、一応まとまって終わっています。
序盤の展開を考えると、びっくりさせられること間違いなしの展開です。
それでも、母親が子供に対して行っていた仕打ちが消えるのか。
そう聞かれてしまったら、消えるわけがないし、年齢が年齢だったら覚えているでしょう。
そして、確実に親は恨まれ、憎まれるに違いありません。
綺麗な話にまとまっているように思えますが、実際に現実で起こっていた場合は、児童相談所案件です。
さらに、確実に病院から疑いの目を掛けられて警察に通報されるでしょう。
今の時代と、昔の時代ですので一概に比較は出来ませんけれどね。
また、親の気持ちに立ってみれば分からなくも無いのが正直な話。
だって、我々大人は言葉でコミュニケーションを取れますが、赤ちゃんは喋れません。
2歳でやっと言葉を発し、3歳、4歳で活発的にしゃべります。
子供の甲高い鳴き声は、大人にとっては不愉快に感じる声です。
それを毎日、毎晩聞かされる身にもなれば、精神的におかしくなるのも分からなくはない、という正直なところもあります。
だからといって、子にペットに力を振りまくのは、人として腐っていますと断言できます。
それらが原因のストレスをコントロールするのも、大人の自己管理能力の1つなのですから。
まとめ
総括としては、気持ちは分からなくはないが、この母親は子供と切り離すべきだ、と思いました。
多分、ラストの結末の先には、勉強面でのスパルタという名の虐待を行うでしょうから。
こういう親は早くいなくなればいいのに、と改めて感じさせられました。
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