「地獄を見た女たち~ギフト~」のネタバレです。
感想も載せてあります。
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「地獄を見た女たち~ギフト~」のネタバレ
雅人、清美、あやめ、かえでと4人家族で住んでいた岡山を離れ、父の実家である大阪に戻った家族。
祖父は優しく、祖母は母に厳しい人でしたが、孫たちを優しく迎え入れてくれます。
しかし、これが悲劇の始まりとは、この時は思いもよらなかったのでした。
引っ越してから父は、祖母の甘やかしに溺れていき、祖父は肺がんで他界。
さらに、祖母は働き詰めのストレスなどから乳がんと認知症を患って入院。
この時から、父・雅人のパラダイスが始まってしまったのでした。
雅人は、生粋の賭け事好きな上に、加えて大酒飲みの酒乱。
父が酒を絶てたのは、母と結婚したいがためでした。
ある日、あやめは父に連れられ、見知らぬおじさんと車で二人きりに。
そこで行われるは、性的な犯罪行為。
父は、娘のあやめを売ったのでした。
以降、何かと父に連れられて行く日々が増えていくあやめ。
そして、あやめは処女も父親の客に奪われてしまうのでした。
心を壊されてもなお、あやめは母・清美と妹・かえでの前では、笑顔でいようと努めます。
ですが、父の浪費っぷりに堪忍袋の緒が切れた母は、離婚を選択し妹を連れて出て行ってしまいました。
もちろん、あやめも出て行きたかった。
だが、当時のあやめは父による呪縛が解けず、父の下に留まり続けてしまうのです。
残り続けたあやめを待ち受けるは、幼少の頃と変わらぬ日々。
しかし、母と妹の下へやってきて、心境に変化も生まれ始めました。
ある夜の日。
父は憔悴しきり、あやめに泣き縋り、事の次第を全てさらけ出しました。
父の言葉を聞いたあやめが、ようやく呪縛から解かれる時がやってきたのです。
そして、翌日にあやめがみた光景とは・・・?
心優しかった父が壊れていき、自分の人生すら壊されそうになったあやめ。
あやめが迎えた結末のラストシーンに関しては、ぜひ単行本を覗いてみてください。
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感想について
まず、父は死ね。
死ね、という言葉以外に掛ける言葉はありません。
死んでどうぞ。
ただ、この作品のもう一人の加害者は母の清美ですよね。
もっと早くに離婚を選択すべきでした。
同時に、娘の異変に気付けなかったのが、私がもう一人の加害者と言った理由です。
そして、現実だったらあやめは父を刺して殺しても、情状酌量の余地があるでしょう。
医者で中絶した描写も有り、父も同伴していたことが確認されていますから。
でも、作中の廃人状態に近いあやめでは、そこまでの気力は起きなかったのでしょう。
人間、限界まで追いつめられてしまったら、人の言うことをハイハイ聞いていた方が楽ですから・・・。
さて、全体の感想としては、久々に読んでいてムカムカとしてくる作品でした。
ちょっと、鼻筋がピクピクとしてしまいましたよ。
まとめ
正直、あやめが本当の意味で幸せになるのは、生きている間には無理だと思います。
色々な物を受け止めすぎました。
それを示唆するシーンがラストにありましたしね・・・。
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