「あすなろ坂」のあらすじとネタバレです。
感想も載せてあります。
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「あすなろ坂」のあらすじ
世は幕末、会津藩。
芙美は、幼馴染の新吾と惹かれあっていたが、名門・有馬家に嫁入りが決まる。
美しいが、幼く男女の機微すら知らなかった芙美は、新吾への想いを抑えきれずにいた。
ネタバレ
時代は幕末。
武家の岡村家の娘に生まれた芙美は、おてんば娘。
今日も道場で男達と剣を交えていたが、名門・有馬家に嫁入りが決まる。
しかし、芙美は男女の機微すら知らずにいた。
幼馴染の新吾と剣を交えている時、その力の強さと汗のにおいから自分の気持ちに気付き始める。
次第に不安になった芙美は、結婚を止め、家に戻りたいと思うようになる。
だが、武家の娘にはそのような自由は、許されるわけがなかったのだ。
せめてもと、婚礼に同行していた新吾に自分の気持ちを伝えるが、新吾は何も応えることはできなかった。
ついに有馬家に到着し、芙美の夫となる男・有馬武史が出迎える。
そこには、「あすはひのきになろう」と伸びる木、あすなろの木がそびえ立つ。
明日にはこの人の妻になってしまう、と思った芙美だったが、武史は何もしてこなかった。
新吾たちが帰ってしまう日、偶然にも武史は留守。
意を決して、結ばれた二人。
それにもかかわらず、武史は芙美がその気になるまで待ち続けていた。
しかし、芙美は妊娠してしまい、武史の主治医・園田先生に言い当てられ、皆の知るところとなってしまう。
覚悟した芙美は、武史に自分を斬るよう願い出るが、武史は責めずに丈夫な子を産めと言う。
ここから時代は移り行き、長州・薩摩藩と幕府との戦が幕を開ける。
武史の会津藩は、幕府側であったが、武史はなんと脱藩を決意していた。
反発する芙美だったが、おなかの子のことを考えれば、従うより他なかった。
闘いが激しくなる中、芙美は新吾のことを思いながら、男の子を出産する。
武史はその子を新之介と名付けた。
全てを知っていてなお、新之介を愛し育てる武史に驚く芙美。
激動の時代を生きることとなってしまった彼女たちは、一体どうなるのか。
詳しい話の内容は、ぜひ単行本を覗いてみてください。
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感想
幕末の会ったこともない人との結婚、というところから始まりました。
身分違いの悲恋とかそういった話かと思ったのですが、話はこの時代では終わらないんですね。
江戸時代が終わっても、まだまだ続くようです。
この一巻ではまだ幕末とはいえ、江戸時代でした。
そのため、当たり前ですが武士同士の会ったこともない相手との結婚が行われています。
芙美は嫁入りが決まってから、新吾への自分の気持ちに気付いたのですが、習わしが邪魔をする。
当時の価値観と言ってしまえばそれまでですが、芙美は辛かったでしょうね。
そんなことより武史には驚かされました。
この人は一体何者なのかと。
芙美がその気になるまで全く手を出してこず、芙美が他の男の子供を妊娠していることを知っても責めることもない。
それだけでなく、幕府はもう終わりとばかりに、さっさと会津藩を脱藩してしまいます。
先見の明でもあったんでしょうか。
てっきり、男色家で、園田先生とデキてるんだと思ってしまいました。
別にBL好きではないのですが、「大奥」の読みすぎだと思います。
それにしても、いくら時代が大きく移り変わるころだったとは言え、武史は新人類過ぎるのではないでしょうか。
それとも、これから人間くさいところを見せてくれるようになるのか、気になります。
まとめ
殆ど、主人公について語らなかったけど、それくらい武史のキャラクター性が印象に残りすぎてしまいました。
さて、これから激動の時代に移っていくわけです。
彼女たちが時代の本流に飲まれるのか、それとも逆らうのか。
その辺りに注目したい所ですね。
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