「隣の彼方」のネタバレです。
感想も載せてあります。
[AD1]
「隣の彼方」のネタバレ
表題作を紹介しましょう。
幼馴染の凌太と3年ぶりに同じクラスになったあや。
ただ、2人の関係はギクシャクしていたのでした。
それは、凌太とあやが中学の時の頃のお話。
凌太からあやへ告白があったのですが、勇気を出して告白してくれた凌太の思いを蔑ろにしてしまったのです。
それから、一切口も聞かなかった。
でも、この3年ぶりに同じクラスになれたことで、事態は好転するのではないか。
そんな淡い期待が、あやの中に渦巻いていたのですが・・・。
実際の凌太は、モテる、とにかくモテる。
さらに、少し見ない間にかなりチャラくなっていました。
モテるゆえに、女の子に苦労しない凌太は、自然とあやへ構うこともありません、
それが手に取るようにあやにも分かるのですが、何かとクラスの行事などで一緒になることも多い。
だから、何かあるかもしれない、というあやの淡い期待は見事に破り捨てられてしまいます。
河川敷での花火の集まりで、凌太とその彼女に出くわしてしまったのです。
凌太から告げられる悲痛な言葉。
『ただの幼なじみ』
過去の自分の報いとはいえ、この言葉は深くあやの中に残るのでした。
河川敷の花火大会の後、なぜか凌太は一週間も学校を欠席。
凌太が学校を欠席した真相を、あやが知った時どうしたのか。
あやの気持ち、凌太が内に抱えていた気持ちとは。
他、短編集3つを含む詳しい話の内容は、ぜひ単行本を覗いて確かめてみてください。
[AD2]
感想について
表題作をネタバレしたのですが、もうザクッザクッと心が刺されること刺されること。
凌太の無表情な絵と、あやの寂しそうな絵の対比が一緒のページに描かれていて、胸をギュッと締め付けられてしまいました。
もっと喋りたいんだけど、凌太に話しかけたら拒否されてしまいそう。
怖い、悲しい、寂しい、昔のように・・・という色々な感情が、あやの中に渦巻いていたことでしょう。
そんなシーンを見せつけられてしまったら、私も掛けたい言葉が見当たりません。
ここ最近、私が読んだ中で1,2を争う切なさでした。
一方、最初のショートカラーで巻頭を飾る「ノストラダムスと榊くん」は、短編集の中では異例のSF作品。
ただ、こちらは切ないよりも、悲しい結末で終わってしまいます。
ああ、あの男の子が言っていたことは、そういうことだったのか・・・と。
淡い色合いのせいで、より儚さと悲壮さを感じさせてくれました。
残っている「ひみつのみっつ」と「Keep a diary」は、女の子の黒さ満載。
もしかしたら、こっちの方が共感できるって言う人の方が、多いかもしれない作品となっていました。
同作者の別作品は、コチラからどうぞ。
まとめ
物語もそうですが、何と言っても絵柄ですね。
透き通るような絵柄が、より物語に厚みを加えてくれています。
ひりつく感じや、痛みを味わいたい人は、ぜひ読んでみてください。
[AD1]