「青に光芒」のネタバレです。
感想も載せてあります。
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「青に光芒」のあらすじ
中学校教師の室町は、無気力教師だった。
生徒達には何の関心も持っていなかったが、巣から落ちたツバメの雛を一緒に助けたことから、安土という女子生徒と話をするようになる。
表題作「青に光芒」ほか、全4篇を収録。
詳しいネタバレ
中学教師の室町は、生徒達の将来にも関心がなく、無気力な毎日を送っていた。
しかし、巣から落ちたツバメの雛を一緒に助けたことから、安土という女子生徒と話をするようになる。
かいがいしく世話をする安土。
それに対して何もできない自分。
安土の強さを知った室町だったが、ツバメはやがて自然に戻っていき、ここでこの物語は終わるはず。
ーだったが、ツバメはカラスに襲われて無惨な姿になったところを安土に発見される。
掛ける言葉もみつからない自分の空虚さに打ちのめされる室町。
それから安土とは話す事もなく卒業を迎えた。
ただ一人就職するという安土の強さのわけを知った室町は、次第に変わっていく。
ある日、彼女の誕生日に二人で外出すると、またツバメの雛が落ちたところに出くわす。
今度こそ助けられる、と思った室町だったが、彼女は安土とは違っていて・・・。
このほか、雨が降る日にだけ会える人に恋するものの、声を掛けられずにいる少女の物語「雨が止んだら」。
他人に共感できずにいるが、孤立を恐れて周りに合わせている日々を虚しく感じている少女の物語「17歳の標本」。
どうでもいいことに全力投球するが、一人の少年との出会いで変わっていく少女の物語「花咲くマーブル」の全4編を収録しています。
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読んだ感想
うわあ・・・、というぐらい突き刺さってきます。
青春の痛みっていうやつです。
別に、ツバメの雛を無事に還しました。少し大人になりました。めでたしめでたし。
これでも、少しは成長すると思うのですが、容赦ないですね。
残酷な現実を知り、自分のカラッポさを知り、ようやく大人になれる。
青春とは、青臭さとはこうでなくっちゃって感じです。
これで逆に、自分に甘さを残したままだったら、あんまり印象に残らないものとなってしまったでしょう。
やはり青春ものの醍醐味は、痛みがつきものですね!
映画だけど、「カクテル」とかあまりにも主人公にだけ都合が良すぎる展開で、激怒しました。
痛みがあってこそ、成長するものなのかもしれません。
でも、安心してください、最後までずっと痛いのではなく、最後の瞬間にはちゃんと良い瞬間が待っているので。
まとめ
正直、絵はまだそこまで上手くないのですが、話に惹きこまれ、気にならなくなりました。
無気力な室町先生とずっと付き合っていた彼女は、お似合いの人だったんだなあ~と、ツバメへのそっくりな対応を見て思いました。
いや、自分の誕生日とツバメの雛を天秤にかけたら、そうなるのもいたし方ない。
でも室町先生が変わったことで合わなくなった。
そんな微妙なリアリティがすごく上手かったです。
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