「狂骨の夢」あらすじとネタバレです。
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「狂骨の夢」のあらすじ
いさま屋、こと居佐間一成は、逗子の海で朱美と出会う。
その朱美が語った自分の過去は、衝撃的なものだった。
朱美は、かつて同じ店で奉公していた女性を殺してしまったと言う。
降旗弘は、飯島基督教で信者の懺悔を聞く仕事をしている。
そこに現れた朱美と名乗る女性もまた、首を切断し殺した夫が蘇り訪ねてくる。
その度にまた首を切り殺すという衝撃的な懺悔だった。
これは死体が生き返ったものなのか、それとも幻覚か・・・。
そんな時、朱美の夫・宇田川崇が殺害された。
おなじみの京極堂が難事件に挑む。
ネタバレ
女は夢を見ていた。
海に沈み、骸となる夢。
幼い頃、知らないおじさんに連れられて買われていった時、海が騒々しくて仕方がなかったー。
いや、そんなはずがない。
私は山育ちで海なんかなかった。
十三の時に近くの造り酒屋に奉公に出たが、生家が火事になり、そのまま嫁にもらわれていった。
夫は程なくして招集されたが、逃亡し野垂れ死んだ。
激しい叱責に合い絶望した私は身投げ入水した。
それが現在の私だったはずだ。
三十も年上の現在の夫は、私を助けてそのまま一緒に暮らして八年になる。
夫は宇田川崇という怪奇小説家だ。
海鳴りのするこの家に越してきて3年ほどになるが、海鳴りの音を恋しがる、私のものではない記憶が蘇ってくる。
夢か、妄想か、思い出した記憶なのか・・・?
宇多川朱美には壮絶な過去には秘密があった。
それはやがて夫の崇も巻き込んでいくこととなる・・・。
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感想
冒頭から登場する骨がタイトル通り鍵になってくるようです。
かなり幻想的で独創的な世界観ですね。
時折、猛烈に長い薀蓄というか、なんというか・・・ひたすらセリフで埋め尽くされる部分があるので注意です。
しんどい時はそこは流し読みでも十分筋は分かります。
ここらへんは、原作が小説だった、それも片手で持てないかもしれないぐらい長いやつだった所以でしょう。
いやあ、志水アキさんは頑張ったと思います。
尊敬します。
読むほうは、頭が冴えてどうしようもない時にトライするに限ります。
作者は多分原作好きなんでしょうが、それでもコミカライズに成功するものばかりではありません。
イメージと違う、とか言われちゃったりしがちなんで・・・。
でもこれは、おどろおどろしい雰囲気が素晴らしいし、冒頭から心が掴まれっぱなしです。
引きこまれて、続きが気になって仕方なくなりました。
まとめ
小説は気になるけど、あの長さに躊躇ってしまう方にはとっつきやすいかもしれません。
絵になったことによって分かりやすくなりますが、ちゃんと漫画による手法で描かれているのが好感持てました。
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