「憂国のモリアーティ」1巻のネタバレと感想です。
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「憂国のモリアーティ」1巻のネタバレ
イギリスを代表する作家、アーサー・コナン・ドイルの代表作「シャーロック・ホームズ」。
この大人気シリーズに出てくる主人公・ホームズの宿敵、モリアーティ教授。
本作は、このモリアーティ教授を主人公にした作品。
時代は、19世紀末。
世界の4分の1を支配する、史上最大の帝国となった大英帝国。
この帝国は、人口の3%にも満たない上流階級によって支配されている。
明確且つ、絶対的に境界を隔てられた階級制度。
いうなれば、命の価値の優越を、強制的に差別されている社会。
上流階級に属するモリア―ティー家の嫡男・アルバートは、そんな世の中を嫌悪していた。
そしてある日、孤児院へと向かったアルバートは、一人の不思議な少年と出会う。
彼は、孤児だというのに読み書きができ、そればかりか大人が頼りにするほどの博識。
新参者でありながら、1週間足らずで周囲を惹き付け、その中心に座した少年。
さらにその少年は、笑顔で自分を慕う子供たちに悪の道を説いていた。
良い人には尊敬を、悪い人間は排除すればいい。
関心を寄せたアルバートは、そんな彼と、彼の弟・ルイスを引き取るよう父親を説得。
上流階級の貴族は、市民に奉仕するという概念がある。
おかげで、上流階級の人間としての体裁を気にする両親の説得に成功したアルバート。
けれど、アルバートの家の人間は、差別や階級制度に染まり切った者たち。
アルバートには、この歪んだ世の中を、正しいものに変えたいという理想があった。
だからこそ、その理想を掴むために、知恵と勇気が欲しい。
悪い人間は排除すればいいと説いていた少年。
アルバートは、理想への道を自分と歩もうと少年ら兄弟に持ち掛ける。
そして、アルバートは、少年へ自分の弟・ウィリアムに成り代われと言うのだ。
そのためにも、弟や両親、使用人などを皆、始末しなくてはいけないと告げるアルバート。
アルバートの依頼を受けた少年は、笑顔でその手を悪に染めていく。
そしてまた、少年の弟ルイスも、兄に従うのだ。
理想の楽園を作るためには、悪は排除しなくてはいけない。
その悪を排除するために、容赦なく悪の道を行くことを決めた少年たち。
後に、天才数学者であり、悪党一味の統領となるウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
そんな彼の若き青年時代が、鮮明な物語として綴られていく。
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「憂国のモリアーティ」1巻を読んだ感想
舞台は、19世紀末の大英帝国。
そして主人公は、あのシャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授。
これだけで、心躍る設定です。
彼らが生きる社会は、不条理で非情なほどに無常。
だからこそ、彼らのような「悪」が生まれたといえるかもしれません。
それにしても、モリアーティ教授がカッコいい。
序盤は、まだ教授になる前の、少年時代なのですが、ここからして魅力的。
それは、この美しい作画のお陰も十分にあるでしょう。
どの登場人物も、少年時代は可愛く、青年時代はカッコイイ。
しかも、皆、頭が良くてスマート。
非情な悪人しかいないはずなのに、惹き付けられてしまう。
ただ、彼らはちゃんと、「良いこと」がどういうことかも理解しています。
逆に言えば、「悪」を誰より理解する「悪人たち」です。
そして、彼らの「悪」に惹き付けられる人々。
表と裏を巧みに使い分けながら、彼らは理想の楽園を作ろうと容赦なく悪の道へ。
そんな彼らが、これから原作に沿った色々な犯罪を犯していくことになるわけですが。
原作の「シャーロック・ホームズ」シリーズでは、悪として最期は倒されます。
しかし、その結末を知っているからこそ、どうそこまでを描いていくのか。
この先を期待してしまう作品です。
因みに、こちらの作品は夢小説の漫画版などではありません。
原作のモリアーティ教授にスポットを当てた作品なので、夢小説と解釈する人がいたのかもしれません。
ただ、人物設定もヴィジュアルも素晴らしいので、これから夢小説が生まれそうな作品です。
まとめ
原案は、アーサー・コナン・ドイル。
彼の代表作「シャーロック・ホームズ」シリーズに登場する宿敵、モリアーティ教授を主人公とした作品。
構成を竹内良輔先生、作画を三好輝先生が担当する「憂国のモリアーティ」は、2016年11月4日に第1巻が発売されました。
集英社の月刊少年漫画雑誌「ジャンプスクエア」でも連載中です。
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