「さんかく屋根街アパート」ネタバレと感想です。
[AD1]
「さんかく屋根街アパート」のあらすじ
「日本三大瓦」の産地・愛知県三河地方にある高浜で、「鬼師」の家に生まれ育った生田美月。
後を継ぐのが嫌で上京したが、全てをなくし、鬼師となるため、帰郷する。
幼なじみの旭のいる、「神谷鬼瓦」へ押しかけ弟子入りし、通称「やきものアパート」で暮らす修行の日々が始まる。
神谷家の3兄弟には確執があり、また美月と旭の間で微妙な恋模様が・・・?
ネタバレ
「日本三大瓦」のひとつ、三州瓦の産地、愛知県三河地方。
その中の高浜で、「鬼師」の家に生まれ育った生田美月は、後を継ぐのが嫌で東京の大学に進学する。
そのまま、就職していたが、流されるばかりの日々に嫌気が差し、「鬼師」になるために帰郷する。
鬼師だった父はとうに亡くなり、母も実家に帰っていた。
27歳独身、家なし、職なし、彼氏なし。
何もない美月に同情もあったのか、ライバルの娘を育て上げるのもまた一興、と「神谷鬼瓦」の親方に押しかけ弟子入りが認められる。
住むところのない美月は、通称「やきものアパート」に住まわせてもらうことになった。
そこの一室では旭も暮らしていた。
神谷鬼瓦は、美月の幼なじみ、隆道(隆にい)、旭、要の3兄弟がいるが、旭が現在跡取りとなっている。
しかし、長男の隆道がどうして跡取りではないのか、そういった事情は教えてもらえない。
また、末弟の要は、旭が跡取りなのを認めていないようで、美月のことも認めていないという。
既に3兄弟の母は他界しており、3兄弟には何らかの確執があるようだが・・・。
旭との間に微妙な感情が芽生えつつもあったが、神谷鬼瓦の事務員・栗山さんと旭の間に、昔何かあったことを悟る。
そういえば、栗山さんは美月に妙に冷たかった。
東京から来た元彼に、戻ってこないか、と誘われたのを振り切り、修行の日々に集中するはずだった。
が、酔っ払った旭にキスされ、しかもそのことを忘れられてしまった。
さらに、母親の十七回忌で帰って来た隆道は、やきものアパートを取り壊すと言い出し・・・?
絵柄、小回り、セリフまでさらに楽しみたいと感じた方は、こちらのサイトからどうぞ。
[AD2]
感想
「鬼師」とは、昔ながらの技法で、装飾瓦を作る伝統職人のことだそうです。
何も考えないで読み始めて、「鬼師になりたいんです」って聞いた時は、ビクっとしました。
なんか雀荘あたりにいるコワい職業を想像してしまいました。
少女漫画ですので、そんなことはありませんでした。
その程度の認識だったので、知らないことばかりで非常に新鮮でした。
最近の新築の家で、先端に鬼瓦が付いてる家は、あまり見かけなくなりました。
それどころか、瓦自体ほとんど見かけないです。
そのことの良し悪しは分かりませんが、日本の古い伝統について、知ったり考えさせられたりします。
台風や地震などで悪者にされることも多い瓦ですが、それについても出てきたりして、意外と勉強になりました。
また、女性が伝統の道に入ることについて、周囲の抵抗とかいろいろな葛藤が見られて、その点でも見応えがあります。
しかし、何と言っても気になるのが、幼なじみ同士の人間関係ですね。
次男の旭が跡取りとなっていて、戻ってきた隆道は、一度はやきものアパートを壊すと言い出すなど、どうもまだまだひと悶着ありそうです。
さらに、美月と旭の間に微妙な恋心があるんだかないんだか、事務員さんが旭の元カノだし、この狭い範囲でゴタゴタがありそうで楽しみです!
まとめ
鬼師とは何とも他にない題材で、新鮮です。
それだけに新たな発見も多いのですが、女性が働くことについてとか、幼なじみとの微妙な感情とか、普遍的なテーマも見られます。
主人公のキャラがけっこうおもしろかったです。
[AD1]