「はっちゃん、またね 多発性骨髄腫とともに生きた夫婦の1094日」ネタバレと結末です。
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「はっちゃん、またね」のあらすじ
2013年、7月2日。
ロックバンド「THEGOOD-BYE」の加賀八郎さんが、55歳の若さで亡くなった。
2010年に多発性骨髄腫を発症。
これは、妻で漫画家の池沢理美さんと夫婦で過ごした1094日の物語であるー。
詳しいネタバレ
漫画家の池沢理美は、1990年頃、友達のファンキー末吉(爆風スランプ)に友人の書いた童話に挿絵を描くよう頼まれた。
かわりにバンドで自分を歌わせてくれるよう、要求したところ、なんとムボウな要求は通ってしまった。
「池沢バンド」結成、そのベースだったのが、加賀八郎、はっちゃんだった。
はっちゃんは、「ザ・グッバイ」のベーシストで、「真心ブラザーズ」のサポートをしたりと、池沢にとってはアイドルだった。
が、飲み会で隣になっても、人に向けて屁をするなど、まったく飾らない性格だった。
そして気が付いたら、バツイツ同士の2人は結婚していた。
娘・ヨシミと犬と共に家庭を持って、時々一緒に音楽をやったり、飲んだくれたり、とても幸せに過ごしていた二人。
そんなある日のことだった。
2010年5月。
愛犬を車に乗せようとしてぎっくり腰になった八郎。
しかし2ヵ月経っても、様々な症状が出て、一向に回復しない。
整形外科。
「腰椎がつぶれて圧迫骨折しています。骨が70代ですよ。食生活が乱れているのでは・・・」
そんなはずはない。
神経内科。
「脳のCTは異常ないですね」ところが、
「すぐ内科へ行ってください。ものすごい貧血です」
「ご主人ですが、血液の病気の可能性が血液の病気の可能性が高いので、血液ないかのある病院の方がいいと思います」
そして救急車で搬送されたN医療センター。
「多発性骨髄腫という血液のガンの一種です」
「骨髄腫はかなり進行していて3-Bというステージです」
「このステージでの平均生存月数は24ヵ月から36ヵ月と言われています」
「最善は尽くします。頑張りましょう」
ドラマのセリフみたい。ホントにこんなふうに言うんだ・・・。
いざというとき、夜中でも連絡が取れるように、と携帯番号を聞かれた池沢。
携帯が鳴らないよう、怯えてすごす日々。
それでも、人工透析をし、最初の危機を脱した八郎。
少しほっとした池沢だったが、胸椎と腰椎を圧迫骨折している八郎は、さらに溶血性貧血を併発していた。
それに加えて、骨病変は頭蓋骨にも見られ、骨がもろくなった部分が穴の開いたように無数に広がっていた。
ショックを受ける池沢だったが、病院食を完食する八郎の笑顔を見ると、めげてはいられないと思うのだった。
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感想について
正直言って、読んで楽しくなるものではないし、面白いものではない。
というより、むしろ読み進めるのが辛いほどです。
失礼ながら、私はこの加賀八郎さんを知りませんでしたし、池沢さんは知ってましたけど、結婚されているのは知りませんでした。
THE GOOD-BYEも知らなかったので、アイドルと言われても、なんかピンと来ませんでした。
でもこれがきっかけでつい、THE GOOD-BYEを調べました。
ああ、これはアイドルでした。
野村のよっちゃんがいましたし。
しかし、それにしても漫画にすると、ちょっと少女漫画タッチで描かれているので、池沢さん共々、少し美化しすぎなのでは・・・?
という気がしますが、そのような些細なことは気にならなくなります。
最初の内は、お2人も、救急車で搬送されたら乗ってきた車に戻るの面倒だな、とか、病院の個室代、何日で何万とか細かいことを気にしています。
しかし、そんなことより、日々の些細な幸せの方を大切にするようになっていくのです。
難病ですし、そりゃあハッピーエンドとはいきません。
ですが、あまり知られていない病気を知るきっかけになったり、日々の小さなことを当たり前ではないと思えるようになる良いきっかけになれたと思います。
多発性骨髄腫に限らず、あまり知られておらず、発見しづらい病気はたくさんあります。
そういう意識を高めるためにも、この作品が一助になればいいなと思いました
まとめ
読み進めるのが怖いくらいの難病なので、読むのは苦しかったです。
医者からの告知を受けたり、先行きを心配する心象風景など、漫画家特有の表現が多数感じられました。
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