家庭内のケンカって嫌なものですよね。
なるべくならしたくないものです。
これはそんなものを超越した、正に限界な家族のお話です。
心してどうぞ~。
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「限界家族~負の輪廻~」結末のネタバレ
暴言、暴力、借金、貧乏・・・
こんな不幸からはいつか抜け出せると思っていた。
でも、どうしたらいいのかわからないのだ・・・。
佳美の家は、両親は酒飲みで、父は特にひどい酒乱だった。
とび職だが、雨が降れば仕事に出ないし、晴れた日でも出ないこともあった。
おまけに酔って、母に暴力を振るっていた。
父は日雇いの仕事に出ても、日当をすべて酒に費やし、家計は火の車だった。
長男・浩紀と長女・郁美の学費も出せず、せっかく合格した高校に通うことができなかった。
母は軽度の知的障害のある弟の世話をしており、働きに出ることはできない。
結局、兄と姉は中学卒業後、家を出て就職する。
その後、両親は家の外で乱闘まで繰り広げる始末で、しょっちゅう警察を呼ばれ、近所では評判になっていた。
佳美は、ランドセルも買えずいじめられ、小学1年生から不登校になってしまった。
行政の計らいでなんとかランドセルは貰えたが、他の子供たちとは服装も異なり、自分は普通の家の子供ではない、と佳美は痛感する。
ホステスになった姉は、結婚して旦那を連れてきた。
堅気のサラリーマンの義兄は、12歳の佳美に妙に馴れ馴れしい。
違和感を感じていたが、ある夜、ついにレイプ未遂にまで発展し、耐えかねて母にすべてを打ち明ける。
ロリコンが発覚した義兄と姉は離婚。
それから中学3年の時、突然母が電車に飛び込み自殺をした。
母の葬儀の日、父は飲みすぎて倒れ、父不在のまま葬儀は終了した。
呆れ返った兄と姉が父に暴力を振るい始める。
その姿を見て嫌になった佳美は、家を出るために中学卒業後は就職する。
しかし、立ち仕事で膝を痛め、ホステスになってしまう。
そして先輩に連れられて行ったホストクラブで、後に夫となる恭と出会う。
佳美は妊娠してしまうが、恭はなんと既婚者だったため、中絶を余儀なくされる。
それでも別れられず、ホストを辞めないという理由で恭が離婚。
佳美の2度目の妊娠をきっかけに結婚した。
結婚すると恭は本性を現した。
仕事と無関係に女遊びをし、佳美のためのお金は最低限しか使ってくれない。
佳美の出産の日も、病院に来たのは翌日の朝、しかも酔っ払ってである。
嫌になった佳美は離婚を考えたが、子供が小さいうちは、と兄に諭されて耐えていた。
すると、恭はホストは稼げなくなったので、田舎に帰って普通に就職すると言い出した。
佳美は夫について彼の田舎へ一緒に行くが、恭の実家での同居だった。
佳美は中卒と家庭環境のせいで、実家で姑と小姑にバカにされ続ける。
耐えられなくなった佳美は、離婚して実家に戻ることに。
以外にも、父は孫の綾美をかわいがってくれた。
佳美はホステスに戻るが、勤め先は客層が悪く、安心してはたらくことができない。
また、ずっと水商売というわけにもいかず、将来の不安から夫と復縁することに。
夫は約束通り、実家とは別居し、子供もさらに二人生まれて平穏な暮らしが始まるかと思われた。
あの日までは・・・。
地獄の始まり
突然姉の郁美から連絡が入り、その後再婚したが離婚し、子供は元旦那が育てているという。
住んでいるところが火事にあい、転職したばかりでお金がないため、佳美の名前でキャッシングしてほしいという。
必ず返すという約束で、何度も消費者金融で借金するも、姉とは連絡が取れなくなる。
返済に終われ、援助交際を始めた佳美だが、抱えきれなくなり夫に打ち明けることに。
結局自己破産することになった佳美は、これ以降夫に縛られることになる。
働きに出ても、給料は夫の管理するところとなった。
すると、夫は浪費するようになり、佳美の稼いだ給料も使い込んだ。
ケンカの度に、姉の借金を引き合いに出され、負い目を感じて夫の言いなりになる佳美だった。
父の死
綾美が11歳の時に、兄が飲酒運転により事故死した。
母とともに建てられずにいた墓を、夫の実家に借りてなんとか用立てできた。
しかし、この時実家に帰っていて再会した姉が、また借金を作る。
それ以来実家とは疎遠になっていたが、父が脳幹梗塞で倒れたとの連絡が弟から入る。
長女・綾美は、祖父に可愛がられていたため、見舞いに行くも、父は亡くなってしまう。
父の死後、障害のある弟と同居すると、再び戻ってきた姉が弟の名前で借金をする。
今度こそと思い見放すと、姉は弟を連れて夜逃げした。
その後消息不明になっていたが、姉が自殺未遂するも生き延びたことを知らされる。
そうして、姉とは絶縁したが、佳美の夫婦関係は良くはならなかった。
夫は起業して半年で破綻し、またも自己破産となった。
再就職は決まらず、給料手取り10万ほどしか見つからない。
夫の暴言は佳美だけでなく、子供たちに向かうこともあった。
相変わらず、給料は取り上げられるので、時々振込口座を変えて、佳美はパチンコをしていた。
勝ったときは子供達のお小遣い、負けたときは援助交際をして補填していた。
最近ではもう夫に抵抗するのも疲れてしまい、死ぬことも考えている・・・。
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感想について
なんとまあ、負の輪廻とはよく言ったものですね・・・。
確かにここから抜け出せる方法が分からないです。
最近、親の所得格差で教育機会の云々カンヌンとか言われていますが、そういうことまで考えてしまいました。
どうも、出て来る人たちがみんな同じような気がするのです。
佳美の親は酔って暴力でしたが、夫は言葉の暴力でした。
似たような人を引き寄せ、選んでしまうものなのでしょうか。
なんとも歯がゆいです。
姉の借金に苦しめられ、大いに目立っておりましたが、兄は離婚の相談に乗るなど、それに比べたらまともそうに思えました。
しかし、「飲酒運転で」早死します。
なんの因果なんでしょうか。
生きてるってなんて辛いんでしょう。
しかし、それでも飲んだくれの親父にも、孫の綾美は死に目に会いに来てくれた。
そのあたりは希望が持てるのですが。
あと、書かれていないですが、障害のある弟さんがその後どうなったのか心配です。
せめて佳美の子供たちだけでも、幸せになれるといいのですが・・・。
まとめ
わずか100円くらいで怒涛の人生を見た気分になれます。
いい物とは言えないかもしれませんが・・・。
淡々としていますが、中身は濃くヘビーで打ちのめされてしまいました。
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