引きこもりは社会復帰できるのか、できないとどうなってしまうのか。
家族に引きこもりがいたら、どうなるのか・・・。
そんな限界な家族のお話です。
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「限界家族~寄生虫~」結末のネタバレ
内田麻衣は8人兄弟の上から2番目に生まれた。
下から2番目の弟、トモキは非常に厄介だった。
トモキは学校嫌いで、小学校も中学校も殆ど行かず、2年ほど施設に預けられていたこともあった。
施設から帰ってきてからも口数は少ないままで、あまり代わり映えしなかった。
それでも、母親には気を許し、笑顔を見せることすらあった。
しかし、トモキが中学2年の時、麻衣にトモキのことを託して、母は病気で亡くなってしまった。
その後、トモキは完全に引きこもりになってしまった。
家族の人数が多いので、食事の時は取り合いになり、引っ込み思案なトモキと末の弟は食べられないこともあった。
おまけに父は、仕事を言い訳に逃げてばかりで子育てには関わってこなかった。
一番上の姉は、既に家を出てしまっており、麻衣は張り切るものの、トモキは不登校のまま中学を終えた。
1年経った頃、このままではダメになるとトモキに話をするが、だんまりを決め込まれてしまう。
埒が明かないので、姉に相談すると、東京で会社をやっている母の弟・彬おじさんに住み込みで働かせてくれることになった。
ようやく肩の荷が降りた麻衣は、一ヶ月後、結婚相手を紹介しに家族で集まっていた。
すると、そこへバットを持ったトモキが現れ、家の中のものや車、果ては隣の家の花や盆栽まで何もかも壊し始めた。
元々対人関係の苦手なトモキに、働くのは無理だったのだろうか。
トモキは再び引きこもり生活に戻ってしまった。
その後、麻衣は結婚し、実家を出たが、トモキは引きこもりのまま、21歳になった。
やはりこのままではいけないと思い、夫の務める会社に頼み込んで入れてもらった。
トモキは小中学校もろくに通っていなかったため、漢字もあまり読めなかったが、なんとか協力して車の免許を取らせようとした。
もちろん費用は麻衣が全額負担した。
トモキは照れながら、麻衣に「ありがと」と感謝の言葉を述べた。
麻衣の夫も協力して、重機ユンボの免許も取り、アパートも借りて独り立ちした。
会社も勤続3年を過ぎていた。
このままうまくいくと思われた矢先、夫が「トモキがクビになった」と告げた。
トモキは以前から、気に食わないことがあると仕事を投げ出すクセがあったという。
ついにそのせいで納期が間に合わなくなり、社長の我慢の限界を超えてしまったのだ。
今度も麻衣が世話を焼き、一緒に行ってあげるから、謝りに行こうと勧めた。
しかし、トモキはもう仕事したくないと言い、麻衣が怒鳴りつけると、都合が悪くなったトモキは、無視を決め込んだ。
しかし、お金はすぐに無くなり、アパートも追い出されてホームレスのようになった。
この頃、トモキは31歳になっていた。
しかも、麻衣が仕事を探すように勧めても、逆に怒鳴り返されるようになっていた。
それからは、毎日のように麻衣のところに、食べるものや着るもの、金をせびるようになった。
このような状況が12年間続き、トモキは今43歳になった。
公園のベンチで寝るトモキを見て、一体いつまともになるのかと思う麻衣は・・・。
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感想
この限界家族も、一度上手く行くように見えて、結局はそうなりませんでした。
これは、何が問題だったのでしょうか。
まず、トモキの世話をし続けているのが、次女しかいないのがなんとも不可思議です。
母が今際の際に言い残していったからといっても、いくらなんでも・・・。
父親は死んではいません。
なのに、あまりにも不在過ぎます。
こういう家庭は特に前の世代に多いでしょうけど、父親が育児に全く参加しないと、子供の成長には良くないようですね。
それで、問題が出てくると、「お前に任せておいたのに何をやってるんだ」とか言い出すパターンです。
いやいや、任せていたからダメになったんですが・・・。
この限界家族の場合も、麻衣はあくまでも姉であって、自分の子を育てるという責任があるわけではないから、とにかく甘い。
なので、結局根本的に解決しないまま、ずるずるといってしまった。
そんな気もします。
それと、いくら8人家族だからって、食事にありつけないのはちょっと辛すぎないでしょうか。
ますます疎外感を感じると思うのですが。
せめて最初から選り分けておくとかさあ、今お腹空いてるからこんなことを考えるのかもしれませんけど。
まとめ
最初は出来は悪いが憎めない子供であったトモキが、どんどんクズになっていく様を見届けるという側面もあります。
決して楽しいものではありませんが・・・。
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