兄弟姉妹がいる方は、平等に扱ってもらえましたか?
または、兄弟姉妹を育てている方は、ちゃんと平等に育てられていますか?
これはそれが行き過ぎた限界家族のお話です。
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「限界家族~骨肉の刃~」結末のネタバレ
平成4年3月5日、高知県K市早朝6時50分頃。
静かな住宅街に響き渡る悲鳴。
春川えりかがこたつでうたた寝しているところを、いきなり乱入してきた男に刺されたという。
目撃していたのは、えりかの姉ゆかり。
平凡で平和な家庭を襲った突然の凶行・・・かと思われた。
ゆかりとえりか 二人の姉妹
すべては、13年前、春川家に二人目の女の子、えりかが生まれた時から始まっていた。
その時、姉のゆかりは、3歳だった。
突然現れた妹のえりかは、小さく頼りない赤子で、ゆかりは幼心にも守ってあげたいと思っていた。
しかし、そんな気持ちは、えりかの成長とともに変わっていってしまった。
えりかはとにかくワガママで、母もお姉ちゃんだから我慢しなさい、とえりかの味方をする。
大事な人形を壊されても我慢しなくてはいけなかった。
えりかは、ゆかりの友達にも愛想を振りまくなど要領は良かったが、宿題もしないため、学校の成績は非常に悪かった。
母は薬剤師の資格を持ち、病院に勤務しており、家にいないことが多かった。
それでもゆかりは、勉強好きで、大学進学も考えていたため、中高一貫の有名私立女子校に無事合格した。
ゆかりの合格発表の日、合格祝いをするはずが、えりかの交通事故による入院でなくなってしまった。
えりかは、ひとりで病院に泊まりたくないとワガママを言ったため、ゆかりにはただの偶然とはいえ、納得行かない部分があった。
えりかの中学受験
えりかは、6年生になると、ゆかりと同じ中学を受験したいと言い出した。
ゆかりと同じ時期に言い出したものの、えりかの学力では全く間に合いそうもなかった。
母は忙しく、勉強を見てあげられないため、ゆかりに勉強を見てあげるよう頼む。
中高一貫で進学の心配はないとは言っても、ゆかりだって成績が落ちれば、進学クラスから落ちこぼれてしまう。
しかも、自分に甘いえりかはすぐ眠ってしまい、あろうことか、ゆかりに宿題をやっといて、などと言う始末。
案の定、えりかは受験に失敗した。
お姉ちゃんの教え方が下手だから落ちた、と八つ当たりするえりかに腹を立てるゆかり。
母はゆかりを宥めてくれたが、やはり、お姉ちゃんだからガマンしてあげてと言うのだったー。
お姉ちゃんなんてもうやめたい
両親も陽気で明るいえりかの受験失敗が、えりかの心の傷にならないよう気遣っていた。
必然的にゆかりの学校の話は避けられ、ゆかりは自分の話をしなくなっていった。
えりかがゆかりの学校を貶めるようなことを言っても、ゆかりは反応しなかった。
中学に上がっても、えりかの調子の良さは変わらなかった。
働いている母の負担を減らそうと、洗い物の当番を決めていたが、えりかは期末テストだからと言ってサボってばかりいた。
えりかがサボったからと言って、放っておいては母の仕事が増えるー。
そう思ってやはりガマンしていたゆかりは、「お姉ちゃんなんてもうやめたい」、と思うようになっていった。
そんなことは意に介さないえりかは、ゆかりに期末テストの試験予想をたててほしいという。
そんな勉強の仕方は学力にならない、と断るゆかり。
ソレに対して、えりかは勉強ばっかりできてもかわいくない、とお父さんもお母さんも言っていた、と毒づく。
えりかに本を投げつけるゆかり。
騒ぎに母が駆けつけたが、母の言うことはやはり、3つも年下の子にムキにならないで、お姉ちゃんだから抑えなさいー。
ゆかりにだって、泣きたい日も甘えたい日も腹が立つ日もあるのにー。
そしてその日がやってきたのだ・・・。
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感想
我慢の限界を超えたコップの水は突然溢れる。
そんな感じなんですよね。
でも、溢れたきっかけの事件がちょっと弱すぎるかなあと思いました。
そもそも、家の中以外の出来事があまりにも少なすぎて、ちょっとゆかりの人となりとかがイマイチ分からなかった。
まあ、ガマンガマンばかり言われたら張り詰めるでしょうね。
そして、申し訳ないけど、もうちょっとえりかを可愛く描いてくれないと腹が立ってしょうがなかった。
ダサいツインテールしやがって、と思うばかりで、ちょっと同情する余地がなかった。
正直言って、えりかはモンスターにしか思えなかった。
そんなえりかの親だけあって、両親もゆかりの気持ちを慮ることはできなかったんでしょうね。
もし、中学受験に失敗したのは、えりかの責任ということを本人にしっかり受け止めさせるような親なら、こうはならなかったでしょうから。
それを、受かったお姉ちゃんが悪いとばかり、ゆかりの学校の話をしない、とか過保護もいいとこです。
もしかして、お姉ちゃんばかり皿洗いさせられているのを、労ったりもしてないのでは?
むしろ、えりかより親の方がダメだったのではないでしょうか。
まとめ
冒頭の事件の犯人は?
というサスペンスを予感させる始まりですが、犯人はあっけなく割れるので、ミステリー的要素は全くもってないです。
ご注意ください。
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